ジムのマシントレーニングの中でも人気の種目の一つ『ラットプルダウン』に関して解説をしていきます。
- ラットプルダウンとは
- 初心者に起きやすいミスとは
- 正しいフォームの取り方
この辺りを分かりやすく解説していきますので、是非参考にしてください。
ラットプルダウンとは

ラットプルダウンとは、基本的には座った状態で握ったバーを上下させ、背中の筋肉をターゲットとして行うトレーニングです。
主な対象筋

背中にはたくさんの筋肉が存在している事がお分かり頂けるかと思いますが、ラットプルダウンを行う時の主な対象となる筋肉は
- 広背筋
- 大円筋
になります。
主な効果
広背筋や大円筋を鍛えるメリットはたくさんありますが、その中でも特に大きなメリットは
- 上半身の逆三角形を形成
- クビレの形成
- 姿勢の改善
等が挙げられます。
ラットプルダウンが効かない理由
ジムで行われるマシントレーニングの代表的な種目の一つでもあるラットプルダウンですが、不適切なフォームで行われる事も多い種目でもあります。
初心者だけに限らず、トレーニング期間が長いにも関わらず上手く効かせられない、という方も少なくありません。
何故不適切なフォームになってしまうのか、どうすれば正しいフォームを取れるのか、その辺りを解説していきたいと思います。
正しいフォームが取れない理由
大きく分けて
- 重量設定ミス
- 知識不足
この2点が挙げられます。
重量設定ミス
単純に重量を重くし過ぎている事が原因に挙げられます。
『出来るだけ重たい重量を扱いたい』というトレーニーなら誰もが持つ欲求ですが、上級者になればなるほど、重量ではなくフォームを重視しています。
何故なら、不適切なフォームは効果が出ないだけではなく、怪我のリスクも高まるからです。
『自分が効かせたい筋肉に効いているのか』
この内部意識がトレーニングの効果を大きく左右します。
重量はあくまで自分が適切にコントロール出来る範囲内で最大化するべきであって、例えば背中に効かせたいのに腕の筋肉や下半身の反動を利用しないと扱えない重量は明らかな重量オーバーです。
思い当たる方はこの機会に意識を改めて、質の高いトレーニングを行うよう心掛けましょう。
知識不足
これに関しては誰もが最初は通る道です。
恥ずかしがる必要もありません。
残念ながらネット上には間違いを誘発する情報が溢れていて、初心者を惑わせる環境になってしまっている事は否定出来ません。
出来る限り正しいフォームが取れるよう解説をしていきますので、この記事を読んだ事がキッカケになって正しい知識を身に付けてもらえたら嬉しいです。
不適切なフォームとは
実際にどのようなミスを犯しやすいか、まずはそこから解説をしていきます。
バーを下ろした際に肩甲骨を内側に寄せてしまう
大円筋や広背筋をしっかりと収縮させるためには、バーを下ろした際に肩甲骨が下制(下がる)する必要があります。
肩甲骨を内側に寄せる(内転)動作が起こると、肩甲骨の間にある僧帽筋や菱形筋群の収縮動作になってしまい、十分な効果を得る事が出来ません。
加えて、内転動作が起こると肩がすくみやすくなり、そうなってしまうと対象とする広背筋や大円筋の筋収縮が不十分になる可能性が高くなります。
僧帽筋や菱形筋群を鍛える事が悪い事ではないのですが、その辺りをメインに鍛えたいのであればラットプルダウンではなくローイング系の種目をした方が効率的であり、ラットプルダウンを行うメリットを見出せなくなります。
また、僧帽筋を鍛えると上半身に厚みが出る効果が期待出来るのですが、恐らく多くの女性トレーニーはその効果を狙っていないと思います。
少し話が逸れますが、背中を広くしたいなら上から引く、背中に厚みが欲しいなら前から引く、と言われたりもします。つまり、逆三角形やクビレを作るために上半身上部に広さを出して下部を引き締める効果を狙うなら、肩甲骨は外内動作ではなく上下の動作が求められるという事です。
背中が丸まり腕の力で引っ張ってしまう
重量を重くし過ぎている場合に良く見られるミスパターンです。
この動作は背中の筋収縮がほとんど起こりません。
加えて、こういう動作を行っている場合、チーティングといって反動を過度に使ったフォームになっている場合が非常に多いです。
その場合、ボディメイクという観点から見た場合で言えば、効果が期待出来ないトレーニングに陥ってしまっている可能性が高くなります。
目的が『効かせる』ではない場合、あえてそういう動作を行う事もありますが、あくまでボディメイクが目的で『効かせたい』のであれば、そういう動作が出ないように注意しましょう。
正しいフォームの取り方
それでは正しいフォームの取り方を解説していきます。
実際に身体を動かしながら読んで頂けると更に理解を深めて頂けると思います。
ラットプルダウンの正しい手幅の取り方
ラットプルダウンを行うにあたって重要になるのが『手幅』です。
理由は、肩甲骨が正しく動作出来るかに影響を与えるからです。
実際に動作してみると分かりやすいと思うのですが、手幅を広くして腕を上下するのと、手幅を狭くして腕を上下するのでは、自然と肩甲骨が上下するのは手幅を広くした場合ではないでしょうか。
その『肩甲骨が上下する感覚』がラットプルダウンを行う上で非常に重要になります。
ここで注意が必要なのが、『手幅を広げ過ぎない』という点です。
これも実際に動作してもらえると体感して頂けると思うのですが、手幅を広げ過ぎると肩甲骨を下げる事は出来ても、肩甲骨を上げるのが難しくなる事を感じてもらえるかと思います。
まずは何も握らずに腕を上下させてみて、最も自然に肩甲骨が上下する手幅を発見しましょう。
そして、その手幅でラットプルダウンを行うようにしましょう。
反動で引かずに胸を張って背中で引く


左側の男性の写真を見てみましょう。
上半身が後ろに倒れている事がお分かり頂けると思います。
これは上半身の反動で引いていると起こるミスパターンです。
このようなフォームになると、背中が丸まりやすく、肩甲骨が外内しやすくなります。
加えて、肩がすくみ、腕の力がメインとなってしまい、背中に効かせるのが難しくなります。
今度は右側の写真を見てみましょう。
上半身は後ろに倒れず、胸を張って動作を行っています。
イメージ的には『胸でバーを迎えに行く』といった感じでしょうか。
腕を上に上げた状態で胸を張ってみると、自然と腕が下に下がる事を体感して頂けるかと思います。
それが背中で引く感覚です。
この右側の写真の女性はそれが出来ていて、その証拠にバーを下ろしても肩がすくまず、Tシャツのワキの下辺りにしっかりとシワが寄って、大円筋や広背筋がしっかりと収縮しているのが見て取れます。
重量を重くし過ぎているとこういった綺麗なフォームは取れなくなるので、まずはしっかりと正しいフォームを意識して、対象とする筋肉に効いている事を実感出来る程度の重量で行うよう心掛けましょう。
バーを下ろす正しい位置
正しい手幅が取れて、肩甲骨を上下するイメージ、背中で引くイメージが持てたら、次は正しいバーの軌道を理解しましょう。
まず立った状態でバーを握って、そこから座ります。
座った時に上を向いて、バーが顔よりも少しだけ前にある位置にくるよう調整します。
そこから『胸を張って背中で引く』イメージでバーを引いていきます。
その際の軌道は『バーが鎖骨よりも1~2cm下の位置』に来るように意識します。
バーを下ろす位置が前過ぎる(身体から離れ過ぎる)と、肩甲骨の下制が難しくなり、腕の力で引く事になってしまいます。
逆にバーを下ろす位置が顔に近過ぎると上半身が後ろに傾きやすくなります。
しっかりと正しい軌道でバーを下ろす事を意識しましょう。
ラットプルダウンは後ろに引かない
正しい動作解説のついでに一つ付け加えておきたい事があります。
ラットプルダウンを行う際に、頭の後ろ側に引くトレーニーをたまに見かける事があります。
しかし、この動作は基本的におすすめしません。
理由は簡単で、肩関節にとってとても不自然な動作であり、怪我の可能性が高い事が挙げられます。
実際に肩甲骨を寄せた状態で腕を上げようとしてみると、上手く上げられない事を実感して頂けるかと思います。
また、繰り返しになりますが、肩甲骨を寄せる動作を行ったトレーニングを行いたいのであれば、あえてラットプルダウンを行わずに他のトレーニングを行った方が効率的です。
怪我のリスクを最小限に抑え、トレーニングの効果を最大限に引き出すのが我々の仕事ですので、参考にしてもらえると嬉しいです。
下半身を安定させる
上半身のトレーニングだからと言って下半身の状態が無関係という訳ではありません。下半身をしっかり安定させる事も背中の筋肉の収縮には大切な事なのでしっかり意識しましょう。
具体的には、足幅は骨盤幅と同程度かやや広め、つま先は正面を向きます。
足幅が適切に取れたら、膝と足首がそれぞれ90度程度になるよう調整します。
最後に背筋をしっかり伸ばしてスタートポジションの完成です。
スタートポジションはトレーニングの質を決める大切な要素です。
特に『背筋を伸ばす』というのがとても重要になってきます。
面倒臭がらず、1セット1セットしっかり意識して行いましょう。
サポートグッズを活用する
正しいフォームで行いやすくなるためにサポートグッズを使用するのも有効と言えます。
ラットプルダウンでしたら『パワーグリップ』や『リストストラップ』等が効果的です。
実際にラットプルダウンをやった事がある方ならお分かり頂けるかと思いますが、素手で複数セット行うと握力が低下して、どうしても腕に力が入りやすくなります。
そうするとフォームが乱れやすくなりますので、しっかりと効果を得るためにも使用の検討をおすすめします。
こちらの記事で、様々なトレーニンググッズの使い方等を解説していますので、興味のある方はチェックしてみてください。
サポートグッズは怪我の防止にも繋がります。
しっかりとトレーニングを継続していくのであれば、使用の検討をおすすめします。
まとめ
- ラットプルダウンの主な対象筋は『大円筋・広背筋』
- 『くびれ』『逆三角形』『姿勢改善』等に効果がある
- 重量よりフォーム
- 効かない理由はほぼ間違いなくフォームのミス
いかがでしたでしょうか。
トレーニングに正解というのはありませんが、それでも明らかなエラー動作と言うのは存在し、出来るだけそういったエラー動作を避けて効率的にトレーニングを行って頂きたい、そういう思いからこの記事を書きました。
イマイチ上手く出来なかった方や、これから挑戦してみたい方の参考になれば嬉しいです。



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