腹圧とは?腹圧のかけ方とは?

ウェイトトレーニングを行うにあたって重要とされている『腹圧』に関して解説をしていきます。

是非参考にしてください。

腹圧とは

腹圧とは『腹腔内圧』の事を指し、『腹圧を高める』というのは『腹腔の内圧を高める』という意味を表しています。

腹圧を高める主な理由は、『腰椎の保護』です。

腰椎とは、背骨の腰部で、体の重量を支えると共に動きを可能にする役割があります。

重量を支える役割を持つ腰椎には、ウェイトトレーニングの際に大きな負担が掛かる為、怪我予防やパフォーマンス向上の為に腹圧を高める事が重要だと考えられています。

ペットボトルをイメージすると分かりやすいかもしれません。

空のペットボトルは腹腔内の内圧が高まっていない状態と同じで、簡単に握りつぶす事が出来ます。

逆に、水がいっぱいに入って蓋が絞められた状態のペットボトルは腹圧が高まっている状態と同じで、握りつぶす事が難しくなります。

水がいっぱいに入って握りつぶす事が難しい状態、つまり腹圧が高まっている状態は、腰椎の安定感が高まり、結果的に怪我予防とパフォーマンスの向上に繋がるため、ウェイトトレーニングを行うトレーニーには理解と習得が求められる概念であると言えるでしょう。

その為にはまず

  • ドローイン
  • ブレイシング

この2つの違いを理解する必要があるため、次はこの2つを解説していきます。

ドローイン

ドローインとは、息を吐きながらお腹を凹ませお腹に力を入れていく方法を言います。

主にお腹周りの深層筋『腹横筋』が収縮していると考えられています。

腹横筋とは、呼吸の際に働く筋肉と考えられ、主にお腹を凹ませるときに働くと考えられています。また、腹筋群のインナーマッスルとしても重要な働きを持ち、天然のコルセットとも呼ばれ、腹筋群の安定に作用していると考えられています。

腹横筋が安定していると、スポーツ動作が向上するという意見もあり、積極的にドローイン動作を行って腹横筋を鍛える事を推奨する意見もあります。

また、腹横筋を鍛える事で腰痛の改善に繋がるという意見もあり、腰痛の治療や予防の意味でドローインを推奨する意見もあります。

ただ、ドローインは上記のペットボトルの例で言えば水が抜けた状態の方に近く、その為『腹圧が高まっている』という状態とは言えません。

ジムでもたまに見かける光景ですが、リフティングベルトを極限までキツく締める方がいます。

息を吐けるだけ吐き、お腹を極限まで凹ませ、その状態でベルトを締めるという事は、ペットボトル内の水を出来るだけ空にしている状態と同じで、腰椎を保護し体幹部を安定させるという意味においては逆効果となっています。

思い当たる方は、この機会に意識を改めて頂く事をおすすめします。

ブレイシング

ブレイシングとは、ドローインとは逆に息を吸い、お腹をフラットな状態、もしくは少し膨らませた状態でお腹に力を入れる方法を言います。

ドローインとは逆で、ペットボトル内の水が溜まっている状態に近く、その為腰椎の保護作用や安定感が高まっている状態と言えます。

つまり、ウェイトトレーニングを行うにあたって『腹圧を高める』とは、ブレイシングを行う事であると言えます。

ブレイシングを行うと、ドローイン状態と比べて体の動きやすさと引き換えに安定感の高まりを得る事が出来ます。

ウェイトトレーニングを行うにあたっては、体の動きやすさよりも姿勢の安定感が求められるケースが多く、トレーニングの質の向上のためにも習得したいテクニックだと言えるでしょう。

腹圧のかけ方

それでは具体的に腹圧の高め方、つまりブレイシングの方法を解説していきます。

①背筋を伸ばす

『腹圧』という言葉から、腹筋に力を入れる事がメインと思われがちですが、腹圧を高めるためには腰椎に対して四方から圧力をかける必要があります。

具体的には

  • 横隔膜と骨盤底筋群による上下からの圧力
  • 腹横筋と多裂筋による前後からの圧力

この四方からの圧力が高まる事で腹圧が高めやすくなります。

そして、四方からの圧力を高めやすくする為には、それぞれが出来るだけ平行になっている事が望ましいと言えます。

例えば、腹圧を高めようと腹筋ばかりに意識が行ってしまい猫背になってしまうと『横隔膜』と『骨盤底筋群』の平行は保てなくなります。

逆に、背筋を伸ばそうと意識し過ぎて背中を反り過ぎてしまっても平行は保てなくなります。

腹圧を高め、安定感を高めやすくする為には、まずは腰椎周りの筋肉がそれぞれ平行になるイメージの姿勢を意識しましょう。

②お腹に空気を入れるイメージで呼吸する

ここまでの解説で既にお分かりかと思いますが、お腹が凹み、肩が上がるような呼吸の仕方は望ましくありません。

腹圧を高めやすくする為には、お腹に空気を入れるようなイメージで、息を吸いながらお腹が膨らむような呼吸を意識しましょう。

③お腹に力を入れる

背筋を伸ばし、息を吸って腰椎周りの内圧を高めたら、次はその状態を安定させる必要があります。

その為には、腰椎に対する上下前後の筋肉で固定する意識が重要になってきます。

しかし、実際のところ多裂筋や腹横筋、骨盤底筋群を意識してコントロールする事は難しく、あまり現実的ではありません。

それらと比べると腹筋は意識しやすいため、『腹筋だけを意識してしまうと猫背になってしまう』と解説はしましたが、『それぞれの平行を崩さないようにお腹に力を入れる』というのが現実的なイメージの仕方と言えるでしょう。

『お腹に力を入れる』を分かりやすく体感するとしたら、ご自身でお腹を軽くパンチしてみるのが良いでしょう。

パンチを受けようとする際、お腹にグッと力が入る事を体感する事が出来るかと思います。

その感覚が『お腹に力を入れる』の感覚です。

何度か繰り返してみて、猫背にならない程度にお腹に力を入れる感覚を養いましょう。

腹圧の高め方まとめ

ここまでの解説をまとめると

  1. 反り過ぎないよう注意して背筋を伸ばす
  2. お腹に空気を入れるイメージで息を吸う
  3. パンチを受け止めるイメージでお腹に力を入れる

という3つの重要なポイントがある事がお分かり頂けたかと思います。

是非これらを意識して実践してみてください。

ちなみに、腹圧が高まっているかを体感する方法として、『上半身を揺らす』という方法があります。

通常の状態で両手をダランと下げて、両手をブラブラ揺らしてみると上半身もそれにつられて揺らされますが、腹圧が高まっていると、通常の状態と比べて上半身が手の揺れにつられにくく、ドッシリと安定している事を体感出来ると思います。

是非試してみてください。

腹圧をかけ続けるには

ブレイシング状態が解除される動作は主に

  • 腹筋の力が抜ける
  • 息を吐いて内圧が下がる

この2点が挙げられます。

従って腹圧をキープする必要がある状態では、主にこの2点に注意して動作を行いましょう。

ただし、トレーニング中の無呼吸状態を推奨している訳ではありませんので、例えばスクワットでしゃがんで立ち上がるという一連の動作中は高めた腹圧をキープするために無呼吸気味になったとしても、次のセットに入る前にはリセットして、再度を大きく息を吸って腹圧を高めるという動作を行うようにしましょう。

リフティングベルトを使用する

リフティングベルトを使用すると、お腹側と背中側から圧力がかかります。

例えば、普通の状態でお腹に力を入れるのと、手でお腹を押した状態で力を入れるのでは、恐らく多くの方が後者の方が腹筋を意識しやすく、コントロールもしやすいと感じるでしょう。

これは単純な話で、外からの圧力に対して反発しようと内からの圧力が高まりやすくなるからです。

既に解説した通り、極限までキツくベルトを締める事はブレイシングではなくなってしまい、腹圧を高めるという観点から見た場合は望ましくありませんが、多少窮屈に感じる程度にリフティングベルトを締めてあげると、腹圧を高める為に意識する必要がある筋肉をコントロールしやすくなります。

扱う重量が上がってきて、腰への負担等が気になる方は使用の検討をおすすめします。

腹圧を高めるデメリットはあるのか

ここまで腹圧の高め方、コントロールの仕方に関して解説をしてきましたが、次は腹圧を高める事によるデメリットとして挙げられる意見を解説していきます。

ウエストが太くなる

コンテストに出場する選手の中には、ブレイシング動作を繰り返し行う事で、肋骨が広がり、ウエストが太くなる、という事を気にしている選手がいます。

その為、怪我予防やパフォーマンスの向上という意味だけでなく、肋骨が広がらないようにという意味も込めてリフティングベルトを使用しているそうです。

ただし、これに関しては医学的な根拠に乏しく、個人の体感によるものであると言えるため、実際にデメリットと言えるかと言えば難しいのが正直な意見です。

そういった事を考えている人も中にはいる、という程度で受け止めておく方が良いでしょう。

俊敏な動きには向かない

既に解説した通り、ブレイシングは俊敏な動きやすさと引き換えに安定感を高めます。

ビッグ3のような単純な動作の場合は、俊敏な動きやすさよりも姿勢の安定感の方が求められるため、ブレイシングの方が適している場合が多いと言えますが、スポーツ動作を行う場合は望ましくないケースが多々あります。

厳密に言えば、スポーツ動作の中にも安定感が求められるケースもあり、ブレイシングとドローインの使い分けが理想と言えます。

一般的なウェイトトレーニングではブレイシングで特に問題が生じるケースは少ないと考えられますが、取り組む種目や状況によっては適さない場合もある、という事は理解しておくべきでしょう。

まとめ

  • 『腹圧を高める』とはブレイシングを行う事を言う
  • 腹圧を高めるポイントは『姿勢』『呼吸』『力の入れ方』
  • リフティングベルトを使用するとコントロールしやすくなる
  • ブレイシングが向かない動作もある

ウェイトトレーニングを行うにあたって怪我予防やパフォーマンス向上に必要と考えられている腹圧に関して解説をしてきました。

『腹圧』という言葉は知っていても、実際にどういう物で、どうコントロールすれは良いのか疑問に思っていた方の参考になれば幸いです。

当サイトは、この他にも筋トレやダイエットに関して様々な解説記事を掲載しています。

お役に立てれば幸いです。

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