筋肉を効率良く成長させる筋トレ後の食事に関してエビデンスを交えて解説していきます。
- 理想的な栄養素
- 理想的なタイミング
といった多くのトレーニーが気になる事だけでなく、更にもう一歩踏み込んだレベルにまで解説をしていきます。
是非参考にしてください。
また、筋トレ前の食事に関しても解説している記事があります。
併せてお読み頂く事で食事管理に関する知識が一層高まりますので、是非こちらもチェックして頂けたらと思います。
筋トレ後に炭水化物を食べても太らない
筋肉を成長させる為に必要な栄養素として多くの方が『タンパク質』を連想します。
その為、トレーニング終了直後にプロテインを飲む方も少なくないでしょう。
その反面、炭水化物を敬遠する方が少なくありません。
理由をヒアリングすると
- 太りそう
- 必要な理由が分からない
といった答えが大半を占めている印象を受けます。
しかし、筋肉が成長する為には炭水化物がとても重要であり、炭水化物を食べる事が太る事に直結する訳ではありません。
まずはそれらを詳しく解説していきます。
炭水化物を食べても太らない理由
太る、つまり体重が増える増えないという現象は、消費カロリーと摂取カロリーのバランスに大きく依存します。
| カロリーバランス | 体重 |
|---|---|
| 消費カロリー > 摂取カロリー(アンダーカロリー状態) | 減少 |
| 消費カロリー < 摂取カロリー(オーバーカロリー状態) | 増加 |
体重の増減理由は様々で複雑ですが、長期的視点から見た場合このカロリーバランスが増減理由の大前提となってきます。
体質や消化能力によって一時的に体重が増える場合はありますが、長期的視点から見た場合、炭水化物を食べる食べないが体重の増減理由になる事は考えにくい、というのが真実です。
当然、炭水化物を食べ過ぎてオーバーカロリー状態に長期間陥ってしまえば体重は増えていきますが、『炭水化物を食べると太る』『炭水化物を減らすと痩せる』といった単純な物ではありませんので、そういった短絡的な意見を目にする機会も少なくありませんが、そのような意見に惑わされず正しく食事管理を行いましょう。
筋トレ後に炭水化物が重要な理由
では次に、炭水化物がどのように筋肉の成長に影響を及ぼすかを解説していきます。
トレーニング期における炭水化物の摂取量がどのような影響を与えるか、を調査したこちらの研究
Nutrition for Endurance Sport: Carbohydrate and Fluid Balance
では、70%糖質食のグループと40%糖質食のグループで比較した結果、40%糖質食のグループではトレーニングにより消耗した筋グリコーゲンが翌日の段階で十分量回復しておらず、3日間トレーニングを継続した場合、筋グリコーゲンの値はトレーニング開始前の30%程度まで低下していた、と報告をしています。
筋グリコーゲンとは、簡単に言えば筋収縮時のエネルギー源のような物なので、その回復量が低いという事はトレーニングの質の低下を表していると言えます。
また、運動後の筋グリコーゲンの合成に関して調査したこちらの研究
Muscle glycogen synthesis after exercise: effect of time of carbohydrate ingestion
では、運動直後に糖質を摂取したグループと2時間後に糖質を摂取するグループを比較した結果、運動直後に糖質を摂取したグループの方が筋グリコーゲンの値が回復した、と報告をしています。
この結果からも、筋トレ後には炭水化物を摂取して糖質を取る事が望ましいと考えられます。
このように、筋トレ後に炭水化物を摂取して糖質を取る事は、次に行うトレーニングの質を向上させる効果が期待出来る為、日常的にトレーニングを行うトレーニーにとっては見過ごせない真実であると言えるでしょう。
また、炭水化物とアミノ酸の摂取タイミングによる筋肉の合成反応を調査したこちらの研究
では、EAAと炭水化物を同時に摂取したグループが最も多く全身にアミノ酸を運んだと報告しました。
つまり、タンパク質を全身に効率良く届ける為には炭水化物が重要である事が示唆された、と言えるでしょう。
筋肉を成長させるにはタンパク質のみでは不十分で、そこに適切な炭水化物を加える事が望ましいという事がお分かり頂けるでしょう。
筋トレ後の炭水化物の量の目安は
これに関しては、一日の炭水化物総摂取量や食事のタイミングに依存すると考えるべきでしょう。
一日の最後の食事となるのか、食事までに時間が空いてしまうからひとまず何かしらで栄養補給を、という意味で取るのか、といった事情によって臨機応変に対応した方が望ましいと言えます。
理想的な栄養素の設定方法に関して詳しく解説した記事がありますので、一日の炭水化物総摂取量を求める場合はこちらの記事をご参照ください。
こうして求められた一日の総摂取量を食事回数で割り、食事で取る分、サプリで取る分、等から逆算して求める事が理想的と言えるでしょう。
こちらの記事は主に減量中の方向けに書いた記事ですが、増量中の方はこの記事で出てくる『維持カロリー』に数百kcal加算すれば良いだけですので、増量中の方も是非ご参照ください。
大切なのはタイミング
既に解説した通り、運動直後に糖質を摂取する事で筋グリコーゲンの回復を促進させる事が科学で証明されています。
その為、目安としてトレーニング2時間以内に食事が取れない場合はカーボパウダーをプロテインと一緒に取る、もしくはプロテインと併せておにぎりを一つ食べる、といった事が望ましく、直後に食事が取れる場合は固形物で炭水化物とタンパク質をしっかり取る、という事を心掛けましょう。
また、時には日中あまり食事が取れず、筋トレ後の食事が一日の最後の食事となるケースもあるでしょう。
一日の総摂取量を遵守しているトレーニーにとっては、寝る前に多めに食べる事で余分に脂肪が付いてしまわないか、といったストレスや不安を感じるタイミングです。
そういったトレーニーには朗報とも言えるエビデンスもあります。
夜間のエネルギー消費量と基礎代謝の関係を調査したこちらの研究
Relationship between overnight energy expenditure and BMR measured in a room-sized calorimeter
では、起床時と睡眠中とでは代謝に大きな差は無く、脂肪の増加も見られなかった、と報告をしています。
つまり、日中忙しくて落ち着いて食事をする時間が無い場合は、プロテインやおにぎり等で軽めの栄養補給をこまめに行い、夜食の際に多めに炭水化物を取って総摂取栄養素の帳尻を合わせる、というプランでも大きな問題はないと考える事が出来ます。
栄養の吸収率等の観点から見た場合、計画的に食事が取れるに越したことはありませんが、それが出来なかったとしても台無しになる訳ではないと化学が証明していますので、その辺りに関して過度のストレスを感じる事なく食事管理を行って頂けたらと思います。
筋トレ後の理想的な食事メニューとは
既に申し上げた通り、トレーニングのタイミングやその後の食事のタイミング次第で最適解は変化します。
これまで解説してきた事も踏まえ、その『最適解』を見つける為に参考となりそうなエビデンスも交えて解説をしていきます。
炭水化物はGI値が高い食品を選ぶ
炭水化物の量に関しては既に解説した通り逆算して求める事が望ましいと言えますが、筋トレ後に取る炭水化物は高GI値食品が望ましいというのが一つのポイントとなります。
長時間運動後の筋グリコーゲンの回復とGI値の関係を調査したこちらの研究
では、長時間運動後に高GI食を摂取したグループと低GI食を摂取したグループに分け、24時間後の筋グリコーゲンの回復を比較した結果、高GI食を摂取したグループにおいて有意に高い回復量を確認した、と報告をしています。
ちなみにGI値とは、食後血糖値の上昇を示す指標として用いられ、一般的にGI値が高ければ高いほど消化吸収が早く、GI値が低ければ低いほど消化吸収が遅いと考えられています。
運動により体内に栄養素が枯渇している状態では出来るだけ吸収の速い高GI食を摂取し、長時間食事が取れない状況においては低GI食を摂取する、といった使い分けが理想的と言えるのかもしれません。
| GI値 | |
|---|---|
| 食パン | 95 |
| 精白米 | 88 |
| もち | 85 |
| うどん | 85 |
| そうめん | 80 |
| ベーグル | 75 |
| パスタ | 65 |
| そば | 54 |
トレーニング終了後に食事が取れる場合
既に解説した通り、トレーニング終了後に時間を空けずに食事が出来る場合は出来るだけ固形物で食事を取りましょう。
恐らく多くのトレーニーが実際に体感している事かと思いますが、数値上は同じ栄養素でも、サプリで摂取するのと固形物で摂取するのでは体の反応は変わってきます。
サプリはあくまで補助的なアイテムとして活用し、可能な限り固形物で摂取する事をおすすめします。
炭水化物の量や選択基準に関しては既に解説済みなので割愛し、タンパク質に関して解説をします。
タンパク質の摂取目安は20g~30g
運動後のタンパク質摂取量によって筋肉やタンパク質の合成にどのような反応が見られるのか、を調査したこちらの研究
では、プロテインを20g摂取したグループと40g摂取したグループで大きな差が見られなかった、と報告をしています。
もちろん消化吸収能力には個人差がありますが、一回で摂取するタンパク質量は20g~30gというのが目安と言えそうです。
タンパク質20gとはどの程度かはこちらの表をご参照ください。
| 食材 | 摂取量 | 摂取量に対するタンパク質含有量 | 摂取カロリー |
|---|---|---|---|
| 鶏胸肉(皮無し) | 100g | 22.3g | 108kcal |
| 鶏胸肉(皮あり) | 100g | 19.5g | 191kcal |
| 卵 | 3つ | 22.14 | 272kcal |
| 牛モモ赤身 | 100g | 22..5g | 140kcal |
| まぐろ | 100g | 26.4g | 125kcal |
これらは一つ一つの食材ごとに表示していますが、理想を言えばバランス良く食べる事なので、量を調整し可能な限り組み合わせて食べるよう心掛けましょう。
アルカリ性食品を併せて摂取する
人間の体は酸性やアルカリ性に傾き過ぎないよう自ら調整する機能を持っているのですが、筋トレという行為は酸性に傾きやすく、また主食とされる食材に酸性食品が多い事から、特にトレーニーは酸性に傾きやすいと言えます。
従って、意識的にアルカリ性食品を取ってあげる事は内臓の働きをサポートしてあげる事につながり、結果的に体の回復をサポートすると考える事が出来ます。
トレーニング直後に食事が取れる場合に限らず、意識的にアルカリ性食品を取る事をおすすめします。
| 弱アルカリ性 | 中アルカリ性 | 強アルカリ性 |
|---|---|---|
| ねぎ | キャベツ | にんじん |
| ピーマン | レタス | トマト |
| きゅうり | ブロッコリー | レンコン |
| オクラ | アスパラガス | 玉ねぎ |
| キノコ類 | ほうれん草 | 海藻類 |
| 大根 |
トレーニング終了後に食事が取れる場合に意識する点をまとめると
- 固形物でしっかり取る
- 炭水化物は高GI値
- タンパク質は20g~30g
- アルカリ性食品も摂取する
となります。
是非これらの事を意識して、筋トレ後の食事を管理して頂ければと思います。
トレーニング終了から2時間以上食事が取れない場合
既に解説した通り、運動直後に栄養補給したグループと2時間後に栄養補給したグループでは、その回復量に差が見られる事が分かっています。
つまり、一つの目安としてトレーニング終了から2時間以内に食事が取れない場合は、プロテイン等のサプリを用いる等して栄養補給をする事が望ましいと考えられます。
プロテインは、摂取したタンパク質の種類によってタンパク質の合成や分解にどのような影響を与えるのか、を調査したこちらの研究
Slow and fast dietary proteins differently modulate postprandial protein accretion
を見ると、60分程度で消化吸収が始まっている事が分かります。
従って、食事までの時間が空いてしまう場合はひとまずプロテインを飲む事が望ましいと言えるでしょう。
問題は糖質をどのように摂取するかです。
候補としては
- マルトデキストリン等のカーボパウダーをプロテインに混ぜる
- 可能であればおにぎり等の高GI値炭水化物を取る
といった事が挙げられるでしょうか。
ここまで厳密に食事管理を行うトレーニーにとっては筋トレ後に食事が出来ない状態をストレスに感じるかもしれませんが、あまり難しく考えず『とりあえず空腹状態を長く続けない』というポイントを主に意識して、可能な範囲で栄養摂取を行う事をおすすめします。
食事とプロテインどっちが理想的か
既に解説した通り、数値上は同じ栄養素でも、固形物で栄養を取った方が体の反応が好ましい、というのが多くのトレーニーが実際に体感しているところです。
極端な話、食事で栄養バランスが問題なく摂取出来ていればサプリを使用する必要はありません。
実際に、サプリを意識して控えるアスリートは少なくありません。
理由としては
- サプリは効率良く栄養素を摂取出来るが、固形物の方が多様な栄養素が含まれている
- サプリには添加物が含まれている
- 固形物を消化しようとして内臓が働く事が健康に役立っている
といった点が挙げられます。
従って、どちらが理想的かという観点で答えれば、多くの有識者は『固形物』と答えるでしょう。
ただ、現実には多忙等により食事管理の徹底が難しく、固形物のみでは理想とする栄養素を網羅する事は難しいというケースも少なくありません。
サプリはそういった場合に非常に有効なアイテムです。
『どちらが理想的か』と考えるのではなく、『理想的な栄養バランスを実現するために併用する』が望ましいと言えるでしょう。
筋トレ後の食事をコンビニで済ませる場合
しっかり食べるのか、軽めに食べるのか、それによって選び方は変わってきます。
最近はコンビニにもプロテインやプロテインバーが豊富に取り揃えられていて、手軽に栄養補給が可能になっています。
ここまでの解説で『状況に応じた食材の選び方』や『食事メニューの決め方』はご理解頂いていると思いますので、ここでは実際にトレーニーが好んで購入している商品をいくつかご紹介していきます。

サラダチキン
説明不要の筋肉食材です。
低脂質高タンパクで多くのトレーニーに愛されている食材です。
そのまま食べるのが味気ない場合は野菜等と一緒に食べるのも良いでしょう。
そうする事でビタミンやミネラルが同時に取れますし、アルカリ性の野菜を同時に食べる事で内臓を労わる事にもなります。
その場合に注意する点としては、ドレッシングの掛け過ぎに気を付けましょう。
ドレッシングは意外と高カロリーの物が多く、特に減量中のトレーニーの方は注意するようにしましょう。

ゆで卵
アミノ酸スコアも素晴らしく、良質なタンパク質の代表とも言えるのが卵です。
脂質の割合も高いので食べ過ぎには注意が必要ですが、身体作りにおいて非常に優れた食材と言えます。

魚の缶詰
タンパク質がしっかり取れるだけでなく、良質な脂質が取れるという点でも選ばれています。
フィッシュオイルと有酸素運動の組み合わせによる様々な影響を調査したこちらの研究
では、フィッシュオイルを摂取したグループと摂取していないグループに分けて週に3日間45分間のウォーキングを3ヶ月間継続した結果、摂取したグループの方が大きな脂肪減少が見られた、と報告をしています。
このようなエビデンスもある事から、減量中のトレーニーにも好まれている食品です。

納豆
納豆は、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル、といった5大栄養素がしっかりと含まれており、非常に優れた食材です。
また、魚やお肉、ホエイプロテイン等のタンパク質は動物性タンパク質に含まれ、それらは取り過ぎる事で悪玉菌を増やし、腸内環境を乱す可能性が指摘されています。
納豆に含まれる善玉菌は腸内環境を整える働きも期待出来る為、好き嫌いの分かれる食材ではありますが、一般の方よりもタンパク質摂取量が多い傾向のあるトレーニーには非常におすすめの食材です。

キムチ
キムチは発酵食品でたくさんの乳酸菌が含まれていて、腸内環境を整える働きが期待出来ます。
納豆が苦手な方は、付け合わせとしてメニューに加える事を意識してみてはいかがでしょうか。
このように、コンビニにもトレーニーに嬉しい食材はたくさん存在します。
加工食品には添加物が含まれており、身体作りや健康の為にコンビニの食品がおすすめ、という訳にはいきませんが、現実問題全ての食事を自ら調理して用意するのは難しく、加工食品に頼らざるを得ない方も少なくありません。
加工食品には原材料やPFCバランスが明記されている場合がほとんどで、PFCの計算がしやすいというメリットもまりますので、あまり神経質にならずに上手に利用する事をおすすめします。
その際の参考になれば嬉しいです。
まとめ
- 筋トレ後はタンパク質だけでなく炭水化物も取る
- 筋トレ後の炭水化物は高GI値食品がおすすめ
- タンパク質量は20g~30gを目安に取る
- 食事まで時間が空いてしまう場合はサプリを活用する
- 食事とプロテインは上手に併用する
- コンビニにも優秀な食品は多い
筋肉を効率良く成長させる為に、筋トレ後の食事に関して意識したいポイントを解説してきました。
全てを意識する事が難しい場合は
- 空腹状態を長く続けない
- PFCバランスを整える
- 適した食材を選ぶ
のように優先順位を付けて管理する事もおすすめです。
ご自身に合った食時管理を行う上で参考となれば嬉しいです。
当サイトは、この他にも筋トレやダイエットに関して様々な解説記事を掲載しています。
お役に立てれば幸いです。



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