ダイエット目的で筋トレを始めるも痩せる人と痩せない人がいて、実際のところ筋トレはダイエットに効果的なのか疑問を持つ方も少なくありません。
そこで今回は
- 筋トレして痩せる人と痩せない人の差は何なのか
- なぜ我々パーソナルトレーナーは筋トレを推奨するのか
この辺りをメインにエビデンスも交えて解説していきます。
是非参考にしてください。
筋トレはダイエットに意味ないのか
結論:筋トレは健康的に痩せるために必要
我々パーソナルトレーナーはクライアントが如何なる目標を掲げていても、最優先すべきは『クライアントの長期的な健康』です。
ダイエット目的のクライアントが目標体重を達成したとしても、それと引き換えに『筋力が低下する』『スタイルが崩れる』『肌が荒れる』といった健康的とは言えない状態に陥ってしまえば成功とは言えません。
クライアント自身も、体重計の数字はクリアしていても、鏡に写る自分を見たら『ダイエットに成功した』とは思えないでしょう。
そういった状態に陥らないために、ダイエット目的のクライアントに対して我々パーソナルトレーナーは
- 適切な食事管理
- 適切な運動指導
この2点を同時に行うよう心掛けています。
では具体的に筋トレがどのようにダイエットに効果があるのかを詳しく解説していきます。
筋トレで痩せる人と痩せない人の違い
筋トレで痩せる人と痩せい人の違いはズバリ『カロリーバランス』です。
当サイトでも度々解説していますが、体重の増減の大前提は摂取カロリーと消費カロリーのバランスで、その関係を一つにまとめると
| カロリーバランス | 体重 | |
|---|---|---|
| 消費カロリー>摂取カロリー | アンダーカロリー | 減る |
| 消費カロリー<摂取カロリー | オーバーカロリー | 増える |
となります。
運動をしたり食事内容を変える事で一時的な体重の増減が見られるケースも多々ありますが、基本的には何かを食べると痩せる、または太る、という事はありませんし、筋トレをする事が痩せる痩せないに直結する訳でもありません。
筋トレによって基礎代謝が上がる、もしくは消費カロリーが加算されてアンダーカロリー状態が維持されれが体重は減っていきますし、増えた消費カロリー以上のカロリーを摂取するオーバーカロリー状態を維持すれば体重は減る事はなく、むしろ増えていきます。
実際に、20代から30代の女性を対象に『食事療法のみのグループ』『食事療法+運動を行うグループ』に分けて比較したランダム試験
Fat loss depends on energy deficit only, independently of the method for weight loss
でも、両方のグループで体重と体脂肪の減少は見られたが、グループ間での有意な差は見られなかったと指摘し、単純な体重の減少に関してはカロリー制限によるエネルギー不足のみが影響を与える、と報告しています。
ちなみに、運動習慣が無かった人が筋トレを習慣化すれば当然消費カロリーが増えますので、食事の内容に変化が無ければ運動習慣を身に付けた事によって増えた消費カロリー分の体重減少は期待出来るでしょう。
太りすぎおよび肥満の青年における『減量のための運動介入の有効性』に関するレビュー
でも、運動によって体脂肪の減少が見られ、体組成バランスを改善する可能性が示唆されました。
ここまでの事を総合的に見ても、筋トレをして痩せる人と痩せない人の差は『カロリーバランスの管理』という事が裏付けられていると言えるでしょう。
もし現在筋トレを頑張っているのに体重の減少が見られず悩んでいる方は、一度食事内容の見直しを行った方が良いかもしれません。
減量中のカロリーバランスの設定方法に関して詳しく解説した記事がありますので、興味のある方は是非こちらの記事も参考にしてください。
エビデンスが示すダイエット中の筋トレ効果
『筋トレはダイエットに無意味ではないが、体重の増減に直接影響を与えるのはカロリーバランス』と解説してきました。
恐らくこのような曖昧さが
- 筋トレをしても痩せない
- 筋トレをすれば痩せる
という両極端の意見を生む一因なのかもしれません。
ここではもっと具体的に『ダイエット中の筋トレの効果』に関して解説していきます。
筋トレはダイエット中の筋力の低下を防ぐ
『健康的』という大前提を掲げた場合、筋力の維持が一つの重要テーマとなります。
体重を減らすアンダーカロリー状態を維持すれば筋力は低下しやすくなり、筋力の低下は運動能力の面だけでなくスタイルの維持・改善にも悪影響を及ぼします。
どんなに体重計の数字が減っても、女性であればお尻や胸が垂れてしまう、男性であれば肩回りや胸筋が萎んでしまう、こういった結果になってしまえば少なくとも『見た目的な改善』は失敗であり、むしろ悪化と言えるかもしれません。
ダイエット中の筋トレはこのような結果になるリスクを減らし、体重だけでなく体型も改善させる効果が期待されています。
いくつか興味深いエビデンスをご紹介します。
運動は減量自体には影響を与えないが、減量中の筋力の維持・増加には有効であり、減量の効果を維持する上で重要な役割を果たしている。
肥満の治療における運動の役割のレビュー:The role of exercise in the treatment of obesity
カロリー制限のみのグループ、カロリー制限+中強度の有酸素運動を行うグループ、カロリー制限+高強度の運動を行うグループに分けて比較した結果、全てのグループで大差なく体重の減少は見られたが、カロリー制限のみのグループは筋肉の減少が他のグループに比べて大きく、カロリー制限中の運動は筋肉の維持に有効。
閉経後の肥満女性を対象とした『カロリー制限中の腹部脂肪減少に対する運動強度の影響』を調査した比較試験:Effect of exercise intensity on abdominal fat loss during calorie restriction in overweight and obese postmenopausal women: a randomized, controlled trial
食事療法のみのグループ、食事療法+有酸素運動を行うグループ、食事療法+有酸素運動+筋トレを行うグループで比較した結果、全てのグループで体重と体脂肪が減少したが、運動も同時に行ったグループには有酸素運動機能の増加が見られた。
女性の減量食療法と運動プログラムへの生理学的適応を調査した研究:Physiological adaptations to a weight-loss dietary regimen and exercise programs in women
このように、ダイエット中に筋トレを行う事は筋肉や体力の維持・増加が期待され、体重も体型も改善する『健康的なダイエット』が成功しやすくなると考えられています。
冒頭でお伝えした
結論:筋トレは健康的に痩せるために必要
の理由がお分かり頂けたら幸いです。
痩せる筋トレメニューとは
単純に体重を落とすだけでなく、体重も体型も改善するダイエットを成功するには運動が必要だと解説してきました。
ここでは具体的にどんなトレーニングを行えば効果的なのか、その辺りをエビデンスから考察していきます。
是非参考にしてください。
有酸素運動と筋トレどちらが痩せるか論争に結論
度々議論される『有酸素運動と筋トレどっちが痩せるのか』論争ですが、基本的にはそれぞれ役割があり、それぞれ別の角度からダイエットに効果的であると言えますが、エビデンスで見ていくと一つの結論に辿り着きます。
有酸素運動も筋トレも両方やるのが良い
食事管理のみのグループ、食事管理に加えて週に3回有酸素運動を行ったグループ、食事管理に加えて有酸素運動と筋力トレーニングの両方を週に3回行ったグループで比較した結果、全てのグループで体重の減少が見られたが、ベンチプレスとスクワットによる筋力測定の結果最大強度に差が見られ、有酸素運動と筋トレも同時に行ったグループが最も優れた結果を示した。
このデータから、有酸素運動と筋トレを同時に行ったダイエットが最も健康的なダイエットに効果的である事が示唆された。
男性の体重減少に伴う生理学的およびパフォーマンスの変化に対する運動トレーニングの影響を調査した研究:Influence of exercise training on physiological and performance changes with weight loss in men
時間的な制約など、ダイエットに臨む環境は人それぞれですが、有酸素運動と筋トレ両方を行った方がダイエット効果が高い事が示唆されています。
我々パーソナルトレーナーもバランス良く取り入れる事を心掛けています。
是非可能な範囲で両方取り入れて、効率的なダイエットに臨んで頂けたらと思います。
具体的なダイエット中の筋トレメニュー
筋トレはコンパウンド種目をメインに
- 筋力を向上させる
- 代謝を向上させる
ダイエットに効果的と思われるこの2点から見た場合、出来るだけ大きな筋肉、出来るだけ複数の筋肉を同時に動かすトレーニングが効果的だと言えます。
コンパウンド種目とは、複数の筋肉と関節を同時に動かすトレーニング種目を言い、スクワットやベンチプレス等が該当します。
体型を整えるためには細かい筋肉を狙ったトレーニングが必要となる場合もありますが、基本的に『痩せる』という目的で行う場合であれば出来るだけ全身を使ったトレーニングが有効です。
まずはコンパウンド種目で全身のトレーニングを意識しましょう。
コンパウンド種目に関して網羅的に解説している記事があります。
メニューの組み方等も解説していますので、是非併せてお読み頂けたらと思います。
注意が必要な点として、運動習慣がなく、筋力や体力に自信のない方は、まずはトレーニングを行うためのトレーニングが必要となる場合があります。
そういった方はいきなり重量を扱ってしまうと怪我をするリスクがあります。
まずは『動きに慣れる』程度の負荷から始める事をおすすめします。
もしプロの指導に興味のある方はこちらの記事をご覧ください。
ジムやトレーナーの選び方をトレーナー目線で解説しています。
決して安い金額ではありませんので、失敗しないためにも参考にしてもらえたらと思います。
有酸素運動はやり過ぎないように注意
ダイエット効果を高めるには出来るだけ『長時間』『高強度』が必要と考える方も少なくありませんが、実際にエビデンスで見ていくと違った結果が見えてきます。
具体的には
- 低~中強度
- 30分~1時間
この程度の有酸素運動が高い効果を見せています。
強度を上げ過ぎてしまうと筋力の維持に悪影響を及ぼしてしまったり、1時間を経過した辺りから減量効果はあまり増えていかない、という事がエビデンスで示されています。
有酸素運動を取り入れる場合は
- 強度を上げ過ぎない
- 長時間やり過ぎない
この2点を意識して行う事をおすすめします。
減量中の効果的な有酸素運動に関して網羅的に解説している記事があります。
興味のある方は併せてご覧ください。
まとめ
- 単純に痩せる痩せないは筋トレではなく食事次第
- 健康的なダイエットには筋トレが必須
- 体重だけでなく体型も改善してこそのダイエット
- 筋トレも有酸素運動も両方取り入れて効率的にダイエットしよう
ダイエット目的で筋トレを始めるも、なかなか結果に繋がらずに挫折する方をたくさん見てきました。
正しく取り組んで、しっかりと目標が達成出来るためのお手伝いになれば嬉しいです。
当サイトは、この他にも筋トレやダイエットに関して様々な解説記事を掲載しています。
お役に立てれば幸いです。





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