- BCAAはどんな効果が期待されているのか
- BCAAは本当に効果があるのか
この辺りをメインにBCAAに関して網羅的に解説していきます。
是非参考にしてください。
BCAAが期待されている効果とは
元々BCAAはどのような効果が期待されているサプリなのかを、エビデンスを交えながら解説していきます。
筋肉の合成促進
運動中の筋肉に対するBCAA補給の効果を調査した研究
を見てみると、運動前後にBCAAを補給する事は筋肉の合成促進に効果がある、と報告しています。
こういったエビデンスを根拠に、筋肥大を目的にトレーニングを行うトレーニーに広く普及していきました。
筋分解の抑制
運動中の筋肉に対するBCAA補給の効果を調査した研究
持久力運動中にBCAAを摂取する事が『倦怠感』『筋肉損傷』『エネルギー代謝』に対してどのような影響を及ぼすかを調査した研究
これらを見ていくと、BCAAの補給は『筋肉の損傷を軽減させる効果』がある事を示唆しています。
こういったエビデンスを参考に、筋分解が起こりやすいと考えられている
- アンダーカロリー状態を維持している減量期
- 中~高強度の有酸素運動中
においてBCAAを摂取する事は、筋分解を抑制し、筋量の維持に繋がるのでは、と考えられて普及していきました。
疲労回復・筋肉痛予防効果
骨格筋に対するBCAAの効果を調査した研究
Nutraceutical effects of branched-chain amino acids on skeletal muscle
運動後にBCAAを補給する事が筋肉痛にどのような影響を与えるのかを調査した研究
これらを見ていくと、BCAAを摂取する事は『筋肉痛の改善・予防』『筋肉疲労の減少』に効果がある事を示唆しています。
こういったエビデンスを根拠に、連日のようにトレーニングを行うトレーニーの間で愛用すべきサプリとして広く普及していきました。
BCAAは筋トレしない日も飲むべきなのか
BCAAは元々『運動中にこそ飲むサプリ』というイメージの強いサプリでしたが、疲労回復効果等も期待出来るというエビデンスが報告されるようになってからは、筋トレをしないオフの日でも摂取が推奨されるようになりました。
加えて、BCAAには筋分解を抑制する効果も期待出来るとするエビデンスもある事から、特に減量期においてはオフの日も摂取を推奨する意見が目立ちます。
ただし、後述しますがBCAAはサプリでしか取れない栄養素ではありません。
PFCバランスを意識するような高いレベルで食事を管理しているトレーニーであれば、BCAAはサプリで摂取せずとも足りているのでは?という指摘もあり、必ずしもサプリで摂取する事が有効と考えられている訳ではありません。
従ってBCAA肯定派でも否定派でも、増量期においてはオフの日まで摂取する必要はないのでは?という認識で共通している印象を受けます。
どの立場でエビデンスを見るかによって解釈や意見は分かれる傾向にありますが、客観的な立場からオフの日の利用に関して意見をまとめると
- 増量期においては必要ない
- 減量中でもPFCバランスを守る高レベルな食事管理を行っているのであれば必要性は低い
- 何らかの理由で食事管理が不十分な場合には飲んでおくと安心かも
といった感じでしょうか。
何が何でも飲んだ方が良いサプリなんて存在しませんので、決して盲目的に使用する事はせず、状況に応じて柔軟に考えて摂取する事をおすすめします。
BCAAとEAAはどっちがいいのか
結論から言うと、BCAAとEAAの違いや共通点を理解して、状況に応じて使い分ける事が理想と言えるでしょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
BCAAとは
BCAAとは、必須アミノ酸に含まれている
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
の3つのアミノ酸の総称で、BCAAサプリメントはこの3つのアミノ酸を効率的に摂取出来るよう生成したサプリメントを言います。
BCAAは筋肉を構成する筋タンパク質に含まれる必須アミノ酸の3割以上を占めると言われており、運動時のエネルギー源として重要な役割を果たしていると考えられています。
その為、運動時にBCAAが枯渇しないようサプリメントとして使用されてきた背景があります。
EAAとは
EAAとは、体内で合成する事が出来ない9種類の必須アミノ酸を総称した物で、EAAサプリメントはそれらを効率良く摂取出来るよう生成されたサプリメントを言います。
ちなみに9種類の成分は以下の通りとなります。
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
- フェニルアラニン
- トリプトファン
- ヒスチジン
- リジン
- トレオニン
- メチオニン
EAAサプリが流行した背景には、体内のアミノ酸バランスが乱れていると筋合成が十分に行われない可能性がある、という考え方による部分が大きいと言われています。
BCAAとEAAの使い分け方
ご覧頂いてお分かりの通り、BCAAもEAAも必須アミノ酸と言われる成分を効率良く摂取出来るように生成されたサプリメントです。
ちなみにタンパク質は20種類のアミノ酸から構成されており、その内の9種類は体内で合成が出来ず食事やサプリで摂取する必要がある為『必須アミノ酸』という呼ばれ方をしています。
従ってBCAAやEAAをサプリで摂取する事は、体内で合成が出来ない必須アミノ酸を摂取して、体内のアミノ酸バランスを整える意味もある、という意見があります。
敢えてこの2種類のサプリを使い分けるとすれば
BCAAは運動時のエネルギー源として
EAAは体内のアミノ酸バランスを整える為
つまりオンの日はBCAAを、オフの日はEAAを、と言えるでしょうか。
BCAAは効果なしと言われる理由
ここまでアミノ酸サプリを摂取する事の意味をエビデンスも交えて解説してきました。
しかし、近年ではBCAAやEAAといったアミノ酸サプリを摂取する事に対して否定的な意見も増えてきました。
詳しく見ていきましょう。
サプリで摂取する必要性に疑問
既に解説した通りBCAAやEAAはサプリでしか取れない栄養素ではなく、食事から摂取する通常のタンパク源からも十分量が摂取出来る栄養素です。
従って、筋肥大に適したPFCバランス、または筋力の維持に適したPFCバランスを意識した食事管理を行っている場合であれば、十分な量が確保出来ていると考えられています。
BCAAやEAAが重要な栄養素である事に疑いの余地はありませんが、敢えてサプリで摂取する必要はあるのだろうか、という意見が増えてきました。
研究の独立性
『アミノ酸サプリを摂取する事は有効』と報告している研究の中には、サプリメントメーカーからの資金提供を受けている研究もあり、研究の独立性という部分で懐疑的な目が向けられています。
また、研究の中身に対しても懐疑的な意見があります。
例えば、運動による筋肉損傷に対するBCAAの効果を調査した研究
では、BCAAの摂取は筋肉痛の軽減と筋肉の機能改善に有効である、と報告をしていますが、この研究では『炭水化物のみ摂取した場合』と『BCAAを摂取した場合』の比較が行われましたが、BCAAと他のアミノ酸による比較は行われず、例えば通常のタンパク源の摂取とBCAAだけを摂取した場合では効果に差はあったのか、という検証が行われていません。
このように、肯定派が根拠とするエビデンスには信頼性に乏しい面もあり、BCAAやEAAといったアミノ酸をサプリで摂取する事に対して、近年疑問の声が上がっています。
否定的なエビデンス
激しいウェイトトレーニング後に、BCAAと炭水化物を混ぜたドリンクを飲むグループと、炭水化物のみを入れたドリンクを飲むグループを比較した研究
では、BCAAを混ぜた事による効果は証明されなかったと報告しています。
筋肉合成に対する必須アミノ酸の影響を調査した研究
においては、EAAの混合物であるロイシンを増やす事は高齢者においては肯定的な反応が見られたが、若い被験者においては筋タンパク質合成に対する更なる刺激は見られなかった、と報告しています。
このように明らかに否定的なエビデンスも複数あり、近年では『重要性の乏しいサプリなのでは』という意見が増えています。
これまでの肯定的・否定的な意見を総合的に考察するのであれば、BCAAやEAAを摂取する事は無意味と断言する事は出来ないが、恐らく多くの場面においてそれほど有効ではない、という考え方が最も客観的である可能性が高いと言えるでしょう。
個人的な考察を加えるのであれば、相反するエビデンスが散見するという事は研究の背景だけでなく個人差が大きい可能性も考えられる為、トレーニー自身の感覚的な判断が重要となってくるのでは、と考えます。
実際に使用していて好感触を得ているのであれば敢えて使用を中断する必要はないでしょうし、使用を中断しても特に問題を感じないのであれば無理して使用を継続する必要もないしょう。
このように、各自が自身の体感によって判断を下す事が望ましいのでは、と考えます。
BCAAに副作用はあるのか
ここまでBCAAやEAAの有効性に関して解説をしてきましたが、使用の副作用に関しても気になるエビデンスがあるのでご紹介します。
インスリン感受性の改善が妨げられる可能性がある
筋肉が成長していく為にはインスリンが正常に働く事が重要であり、基本的に体重が減少していけばインスリン感受性は高まると考えられています。
しかし、高タンパク食と低タンパク食のインスリン作用を比較した研究
を見てみると、高タンパク食グループにおいては減量によるインスリン感受性の高まりが見られなかった、と報告しています。
また、タンパク質摂取と糖尿病の関係を調査した研究
では、動物性タンパク質が糖尿病のリスク増加に関連している可能性が示唆されました。
高タンパク食が常態化している傾向にあるトレーニーにとっては受け入れ難いエビデンスです。
リスクの度合いとして副作用と言えるレベルの物かに関しては、更なる研究・考察が求められる所ですが、盲目的に使用を推奨する一部の層に対してのブレーキにはなると言えるでしょう。
ちなみに、動物性タンパク質を植物性タンパク質に置き換える実験をした研究
では、植物性タンパク質に置き換える事で血糖値が改善する可能性が示唆されました。
こういったエビデンスを参考に、時には食事の内容に変化を加える事も必要なのかもしれません。
まとめ
- BCAAやEAAに効果がないと断言出来ないが、多くの場面においてそれほど有効とは考えられない
- 使用の有無は各自の体感で判断する事が好ましいかも
- 高頻度の使用はリスクがある可能性も
BCAAに関して様々なエビデンスを取り上げて網羅的に解説してきました。
サプリメントが人気の背景には、効果の有無ではなくメーカーのマーケティングの賜物という側面もあり、盲目的な使用は金銭的な理由だけでなく健康的な理由でも避ける必要があります。
使用に悩んでいる方に少しでも参考になれば嬉しいです。
当サイトは、この他にも筋トレやダイエットに関して様々な解説記事を掲載しています。
お役に立てれば幸いです。

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